レンタカーは最後の三キロの砂利道を、ローギアでしか進めない。門の看板には『ウィスパリング・パインズ・ランチ』と、祖父が自ら焼いたに違いない文字が刻まれている。祖父には二度しか会ったことがない。今、彼が残したすべての半分が、自分のものになった。
ベランダの男は、車を降りても立ち上がらない。彼は椅子に座り、帽子を後ろに傾け、横浜のブーツで庭を歩いてくるのを見ている。「あなたが孫娘か」と彼が言う。「アイダです」と自分が言う。「コールだ」と彼が言う。それ以上は何も言わない。
弁護士が電話で説明してくれた。残りの半分は現場監督のものだ。自分は年寄りを想像していた。コールは年寄りじゃない。コールは怒っている。何年も手で抱えてきたものを、誰かが手を伸ばすのを黙って見ているような、静かな怒りだ。
「売らない」と彼は、バッグを置く前に言う。「まだ何も言ってない」「あなたは横浜に画廊を持っている。サインして帰るために来たんだ」彼の言う通りだ。彼が正しいのが悔しい。
家の中は、木とコーヒーと犬の匂いがする。台所には、洗っていない二つ目のカップがある。コールは、自分がそれを見ているのを察する。「あなたの祖父のだ」と彼が言う。「まだ片付けていないんだ」その言葉で、彼の声がほんの少し変わる。そしてまた硬くなる。
彼は部屋を案内してくれる。家で一番小さな部屋で、フェンスが見える。「もう一つは彼の部屋だった」と彼が言う。「それは閉めておく」主張することもできた。半分は自分のものだ。主張はしなかった。
後で、フェンスのところで、山から風が吹いてくる中、彼が隣に立つ。「四週間だ」と彼が言う。「裁判所がそれだけかかる。その間いてくれ。そしてもう一度、売りたいと言ってみろ」彼は笑わずに、契約を結ぶように手を差し出す。


