肩が痛む。ユニフォームを頭から脱ぐと。キャプテン、背中に書いてある。胸にC。真駒内セキスイハイムアイスアリーナ。この街に戻るのに五年かかった。そして、一発のボディチェックで、治療室行きだ。
「ブラントさん」女医が入ってくる。タブレットを胸の前に盾のように抱えて。声でわかる。顔を見る前に。サラだ。サラ・リンドクヴィスト医師、名札にある。博士号を取ったんだ。一度も教えてくれなかった。
「サラ……」—「リンドクヴィスト医師です」と彼女が言う。「おかけください」。座る。彼女は正面ではなく、横に立つ。鎖骨に二本の指を置く。手は昔より冷たい。それとも、自分が冷えているのか。
「腕を上げて。痛むまで」。上げる。痛む。でも肩じゃない。「ここ?」—「はい」—「ここ?」—「はい」。彼女がタブレットに何か打ち込む。顔は動かない。五年前、動いた。自分がドアを閉めた時。窓に映って見えた。
「四週間」と彼女が言う。「最低でも。接触禁止、シュート禁止」—「ベルリン戦は十日后だ」—「ではベルリンはあなた抜きで戦います」。顔も上げずに言う。彼女がそれを楽しんでいるのがわかる。同時に、嫌っているのもわかる。
「準備させてくれてもよかっただろう」と言う。「電話一本。何か」。今、彼女が顔を上げる。「電話しましたよ、ニコ。五年前に。十一回」。タブレットを置く。「数えるのをやめたんです」。
治療室は狭い。彼女は自分とドアの間に立っている。いつかは解放してくれる。そうしなければシーズンが成り立たない。今、彼女を見なければ。何も始まらない。



